お墓の整理(寄せ墓)と、土留め設置等のリフォーム。倉吉市内にて

鳥取県一円にて、お墓や石材のお仕事をさせていただいております、前田石材 代表の前田です。倉吉市内にて、落葉や土の流入にお困りだったお墓で、寄せ墓、土留め設置等のリフォーム工事を行いました。

 

倉吉市 お墓の整理(寄せ墓)、墓地整備

 

倉吉市内でお墓についてご相談いただきました。古くからのご先祖様のお墓をお参りされていて、お困りのことがあるとのことで、まずはご一緒に現地へ行って、状況を確認させていただきました。

 

こちらがご相談いただいたお墓です。石垣の土台の上の広い敷地に、たくさんのお墓が建てられています。お客様のお話では、裏が山になっていて樹木も多いので、毎年のお盆や彼岸前の草取り、落ち葉のお掃除が大変だということでした。ご先祖様からずっと建てられてきた夫婦墓も数が多く、年々そのお掃除も大変になってきたので、寄せ墓をして墓地をきれいにして管理しやすく整備したいとご希望でした。

 

墓地の後方は山の斜面になっていて、そのすぐ手前に台座が苔むした古いお墓が建てられています。古い仏様は、江戸時代からのものもありました。地元の小田石(こだいし)という石で作られたお墓で、お墓が6基と灯篭も複数あります。

 

墓地内のお墓をすべて取り外したところです。後ろの方にあった古いお墓は、後方の斜面の土で埋まっていたので、一番下の石を取り外してみるとこのくらいくぼんでいる状態でした。

 

また今回は、お客様のご希望を伺って、工事にかかる日数や、墓地の後方の土留めの設置位置、工事の手順等を現地で話し合いました。図面ではどうしても伝えづらい案件でしたので、現地でご一緒に確認しながら決定していきました。土留めは、斜面に沿ってコンクリートブロックで作成します。

 

墓地を道路側、正面から見てみると、これだけの広さがあることが分かります。取り外しの前に宗教儀式をしていただいてご遺骨を取り出し、今回ご遺骨はお寺様にお預かりいただきました。取り外した墓石のうち、再度設置するものは当社工場へ持ち帰り、洗浄等を行いました。

 

まずは、土留めブロックの施工から始まりました。墓地内は掘削して転圧し、地盤を固めています。

 

こちらは入り口側です。入口は自然石の石垣でデコボコしていたので、上りやすいようブロックで階段を作ります。土留めブロックを設置する際は、流れてきた土が墓地内に入らずにしっかり留められるように、ある程度余裕を持った高さ設定をしています。

お客様と現地でお打ち合わせをして決めた、四角い木で囲んだ場所に、これからお参りをされる先祖墓を設置します。このあとお墓の基礎を施工します。

 

土留めブロックの2段目を積んで、完成したお墓の基礎の上に洗浄が終わった墓石を設置しました。もともとこちらの墓地には代々のお墓はなかったので、ほかのお墓と同じ小田石を探してきて棹石だけを新しく作りました。

 

古いご先祖様のお墓6基の棹石を、墓地の後方に並べて設置しました。灯篭ももともとあったものを据え直しています。草抑えのコンクリートを打ったら工事完了です。

 

コンクリートを打ち終わり、工事完了です。墓地内に雨水などが溜まらないように、前の道路と同じくらいの水勾配を付けています。落ち葉が溜まることもかなり防ぐことができるので、お掃除もずいぶん楽になると思います。また、石垣の表面の隙間に生えていた草もきれいに取り除きました。

 

コンクリートはまだ打ったばかりなので湿っていますが、しっかり固まったら乾いてもっと白っぽくなります。入口階段はブロックで上りやすくなっています。以前は入り口のすぐ目の前にお墓があり、お参りスペースが窮屈だったので、入り口から入ったときに圧迫感がないようお墓を少し奥に設置しました。お墓前に拝石も設けて、雨の日でも足元を汚さずにお参りができます。コンクリートの表面はすべり止めのため、筋状に刷毛目を付ける刷毛引き仕上げとしています。

 

墓地の後方です。台座の上に古い棹石を並べて、山の斜面側には土留めが設置されました。これまで土が流れてきてお墓の台座を埋めてしまっていましたが、これで安心してお参りいただけます。落ち葉も掃いてお掃除ができます。

 

ずいぶんすっきりして、お参りや管理のしやすいお墓になりました。お客様には、「管理もしやすくなって、私が入る場所もできたし…」とご満足いただけました。このたびは当社にご相談いただきまして、ありがとうございました。お参りや管理のしやすいお墓になったことで、少しでもお客様のお力になれていれば幸いです。

鳥取県内には、今回のように山際にお墓があることも多いので、斜面から流れてくる土や、落ち葉のお掃除に悩まれているケースは多いです。お墓を建て替えたり、移設したりすることもできますが、今のままでできる限りあるものを使い、お参りしやすくすることも可能です。お悩みの方は、お気軽にご相談くださいませ。