40年以上前の矢掛石のお墓のリフォーム工事。東伯郡北栄町にて

鳥取県一円にて、お墓や石材のお仕事をさせていただいております、前田石材 代表の前田です。東伯郡北栄町にて、40年以上前の矢掛石のお墓のリフォーム工事をさせていただきました。

 

東伯郡北栄町 矢掛石のお墓のリフォーム

 

鳥取中部地震の際に崩れてしまったお墓のリフォーム工事をさせていただきました。もともとは地震の後すぐに工事を行う予定だったそうですが、電柱が墓地に隣接していたことから、それが懸案となって工事ができずに時間が経っていました。お客様もリフォームは半ばあきらめておられましたが、お母様が亡くなられてその法事までにお墓をきれいにしたいと思い立たれて、今回リフォーム工事を進めることになりました。

 

古いお墓は一旦取り外して、コンクリートの擁壁内に基礎工事の準備をしています。木枠の中にあけた穴の中に、これから松杭を打ち込みます。木枠の手前の印をしている穴は、草抑えのコンクリートを打つ部分の水抜き穴です。

 

松杭を打ち込んでいます。今回の墓所は砂地で盛り土をしたような場所でしたので、地盤の強度が不足していました。その補強のために、しっかりとした太さのある松杭を十分な深さまで打ち込みます。

 

松杭を打ち込んだら、コンクリートの基礎を打って養生期間をおき、基礎が完成します。そこへ、石の据え付けが始まりました。まずは外柵の石を据えて、手前の階段や拝み石、納骨室を設置しました。お墓の手前や周りも、草抑えのためコンクリートを打っています。

 

お墓の一番下の台石を据えて、周りには灯籠の台座・墓誌の台座等を据えました。周りのコンクリート部分にいくつか見える穴が、水抜き穴です。お墓の中に雨水などがたまらず、ここから地中へ排水することができます。

 

お墓を据え直して、完成です!

今回のリフォームは、以前からのお墓を少し磨き直して、色の入れ直しをして再設置しました。昭和55年建立、岡山県産の矢掛石という青御影石で造られたお墓です。40年ほど前のお墓なので、新品と全く同じというわけにはいきませんが、かなり色艶ともに戻っています。

 

お墓手前の拝み石は、当社の工場で加工した一枚板を使用しています。拝み石の表面や、階段の踏み込み・蹴込みの上部など、歩く場所は全て滑り止め加工をしていますので、雨の日など濡れてもすべりにくくなっています。

後方には古いご先祖様のお墓の棹石を設置しました。灯籠は、火袋部分にご希望で障子紙を貼っています。こちらの風習で、お盆の間一晩中火を灯しているお墓もあり、同じように紙を貼っているお墓も多いです。

 

半ばあきらめていらっしゃったものの、「やっぱりこのままではいけない」と思い立たれてのリフォームで、やっと完成したお墓にはお客様も喜んでおられました。おそらくずっと気になっていらっしゃったでしょうから、ずいぶん安心していただけたのではないでしょうか。このたびは工事をお任せいただきまして、ありがとうございました。

今回は、お墓の石を再利用したリフォーム工事でした。今回工事をさせていただいた北栄町や倉吉市など鳥取県中部では、岡山県産の矢掛石や真賀石など、近隣で採れる石を使用した昔ながらのお墓も見られます。加工も昔ながらのものが多く、現代の加工技術のお墓とは石の風化の度合い等も違うため一概には言えませんが、状況によっては磨き直しをしてきれいにし、再利用することも可能です。ご先祖様から守ってきたお墓を残したいとお考えの際は、ご相談いただければお墓の状況を確認して、可能な限りご希望に添えるようにご提案をさせていただきます。お気軽にご連絡くださいませ。