壊れてしまった灯籠窓枠の設置工事。北栄町地域墓地にて

鳥取県一円にて、お墓や石材のお仕事をさせていただいております、前田石材 代表の前田です。北栄町地域墓地にて、壊れてしまった灯籠窓枠の設置工事をさせていただきましたので、ご紹介いたします!

鳥取県北栄町地域墓地 灯籠窓枠の設置

「灯籠を修理してほしい」というお客様を知人からご紹介いただきました。当社で建立したお墓ではありませんが、北栄町の地域墓地にお墓があるとのことで早速現地を確認させていただきました。

 

こちらがご相談のお墓です。一対の墓前灯籠があり、向かって左側の灯籠には古い窓枠が残っていますが、右側は長年の風雨等で腐食し、ガラスが割れて枠ごとなくなってしまっている状態でした。

 

近付いて見たところです。昔のお墓の灯籠は、このように木の枠にガラスをはめ込んだものが主流でした。木製のため、何十年も経つと傷みが進んでしまいます。この地域では、お盆に送り火や迎え火として、夜通し灯籠に火を灯しておくという風習があります。ここに窓枠がないと、火を灯しても風ですぐに消えてしまうためお困りでした。

お客様は当初、壊れてしまった右側だけの修理をご希望でしたが、片方だけ新しくすると見た目のバランスが悪くなってしまいますので、最終的は左右一対での交換を依頼いただきました。さっそく工事に取り掛かります。

 

工事が完了しました。左右ともに、新しい窓枠が取り付けられました。

設置工程としては、まず灯籠に残っていた古い木の枠をすべて取り外しました。きれいに設置できるよう、残っているボンドなどもきれいに取り除いて設置面を整えます。その後、新しく取り付ける鋳物製の窓枠をはめ込み、隙間ができないよう慎重にしっかりと固定します。最後に、火を灯したろうそくを安全に立てるためのガラス製の専用コップを中に設置して、交換作業は完了です。

 

後ろから見たところです。灯籠の石と新しい窓枠がぴったりと収まっています。今回取り付けたのは、錆びに強いメッキ塗装が施された、鋳物製の窓枠です。枠にはめ込まれたすりガラスの部分が扉になっており、取っ手が付いていて開閉できます。返しが付いているので閉めるときに「カチッ」と音がして、風が吹き込まないようしっかりと密閉される構造になっています。

 

扉を開けると、中に蝋燭を立てるためのガラス製コップが設置されています。扉と連動して蝋燭立のコップがスライドして出てきて、火を灯しやすいようになっています。夜通しなど、長時間の使用にも耐えられるよう、空気を取り入れながらも火が消えない特別な作りです。

工事完了後は、お客様に現地でご確認いただきました。これまでは、火が消えないようにご自身で障子紙を貼るなど対策をされて、とてもご不便だったそうです。さっそく蝋燭も買いに行かれて、「これで安心して使えます」と大変喜んでいただけました。このたびは、当社に工事をお任せいいただきましてありがとうございました。これからも末永くお参りいただければ幸いです。お墓のことでまた何かお困りの際は、お気軽にご連絡ください。

今回は、北栄町で灯籠の窓枠を設置する工事をご紹介いたしました。鋳物の窓枠自体は30年以上前からありますが、今回取り付けた蝋燭立が一緒に手前にスライドするタイプは、実はここ5,6年で開発された改良型です。以前は中にコップが置いてあるだけでしたが、これなら灯籠の奥まで熱い思いをしながら手を伸ばさなくても、安全に蝋燭の火を灯したり、交換したりすることができます。昔ながらのお墓の道具も、より安全で快適にお墓参りができるよう、日々進化を続けています。交換される際はぜひご検討ください。